軍艦島に上陸した


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年末に九州地方で放送された特番に影響され、軍艦島に行ってきました。
今日お世話になったガイドの木場田さんは、偶然にもかつて炭鉱の作業員として軍艦島に住んでいた方。同様の経歴を持つガイドさんは、軍艦島ツアーを行う全5社の中でもたった2名だけということで、非常にラッキーなことに、当時の住民たちの様子を詳細に教えてもらいました。

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あるとき木場田さんの同僚が、トロッコに挟まれて無惨にも亡くなったそう。炭鉱から遺体を運び出す段になって駆り出された同僚は、いつも酒を飲んだくれてばかりで真面目なこと一つ言わない男。けれども彼は遺体のそばにやってくるなり急に優しい顔をして、痛かったろう、家族が待っとるぞ、もう少しだぞ、と声をかけ始めたという。トロッコに挟まれた遺体は誰が見ても明らかに絶命しているのに、男は遺体が炭鉱を出るまでずっと、語りかけ続けた。また同様に炭鉱を出た先に待ち受けていた仲間たちも、遺体に向かって、さも生きている仲間の労をねぎらうかのように、おかえり、お疲れさま、と口々に声をかけたという。

これは当時、炭鉱の中で死者が出ると、その人の怨念が炭鉱に災いをもたらすと考えられていたためで、炭鉱を出るまではどんなご遺体も、生きているものとして扱う習わしがあったのだそう。

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海上に突如出現する嘘のような島で、私が生まれる少し前に実際に起きていた話を、当時を知っている人から聞くという、大変有り難い体験をしました。

現在、軍艦島を世界遺産にという動きもある模様。島に渡る船内で上映される軍艦島PVの中では、風化させない、伝承していく、といった言葉も使われていて、ダークツーリズムのお手本のようなところだなと思いました。

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