田舎の親戚の家のようなフランス料理屋に行った


帰省先、福岡でのこと。

いつの間にか近所にフランス料理屋ができたのだがそこがとても怪しい雰囲気なのでぜひ行ってみよう、としきりにすすめる母に連れられて、今日は家族でフランス料理を食べに行った。

実家から車を10分ほど走らせたところにその怪しいフランス料理屋、cafeシャンソンはあった。

店の佇まいを見て驚いた。

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どう見ても民家。

間違えられないようにcafeと書いてあるが、どう見ても民家なのである。

尻込みする我々をよそに母は躊躇なく中に入る。慌てて後に続くと、意外にも陽気なフランス人のおじさんがあたたかく迎えてくれた。建物自体はどこからどう見ても日本の民家なので、まさか本場フランス人が営むcafeとは予想だにせず、我々は再び驚いた。とりあえず、ボンジュール、と言ってみながら当然のように玄関で靴を脱ぐ。客間に通される。

客間はこんな感じだった。

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グッピーの入った水槽や、書籍(『フォレスト・ガンプ』など)、子供のおもちゃ、さらには子供のおもちゃが入っていたであろう空き箱などが雑然と置かれている、完全なる親戚の家。

忙しく働くフランス人店主を目で追いながら母は「ちょっとあっち手伝わんでよかやろか?」などと言う。親戚の家の客間テイストが、客の精神にも影響を及ぼしている。

1500円のランチコースを頼んだところ、以下のような内容だった。

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野菜のスープ

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アボカドサラダ

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トマトのファルシ

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桃のコンポート、バニラアイス添え

フランスのことは良く知らないがおそらくこれがフランスの家庭料理なのだろう。全体的に素朴で体に良さそうな味だった。

聞けば店主はシャンソン歌手らしく、店ではリサイタルも不定期開催しているそうだ。
雑然とした空間ではあるが、いかにも人の良さそうな店主のオーラのせいか、意外にも空気の淀んだいやな感じはなく、居心地はなかなか良かった。店には私たちの他にも女性客などもいて(最初は店主のご家族かと思っていた)それなりに賑わっている様子もあった。

色々と驚いたものの、母国を離れ、日本の田舎町で親戚の家のような料理屋を営む陽気なフランス人店主には、ぜひこれからも頑張ってほしい。

フランス人この奇妙な人たち

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