大人はみんなパン職人

美味しいパンを作る上では、強力粉やイースト、そして塩(イーストとは仲が悪い)をきちんと混ぜて、良い状態になってから水を加える。加える水にも、気温や生地の温度を鑑みた適温というものがあって、こだわる人は硬度にもこだわる。材料に最適化された水であればあるほど、ろくに混ぜられてない粉の中には入りたくないと思うだろう。

政治もパンと同様、捏ね、発酵、様々なプロセスを経て育てていくものだったんだなと改めて思う。選挙のたびに出演者やシナリオが変わるから今までそういう認識を持っていなかったけれど、今回の都知事選にろくな候補者がいないという声を聞くにつけ、区切りなどなく繋がっていたんだなと思う。

私たち大人はみんなパン職人。いい水が手に入らない、うまく焼けない、と思うのならばそれはパン職人としての自らの力不足だ。

少々の失敗も手作り感あっていいじゃんと思うのか、そもそもこれまで何一つ失敗してない、現状が完璧だと思うのかは人それぞれ。ただ、私たち大人は今後この製造過程の生地を、美味しく焼けと新しい世代に脈々と受け継いでいかなければいけない。生地の現状を俯瞰し、どんなパンに育てていきたいのかという個個の展望を、様々な世代と共有していくことが必要だなと思う。

ちなみにパンの先生が言ってた。(過発酵などで)どうにもならない生地は、最終的にピザにすると。味や匂いの強い具材を乗っけて焼けば、食べられないこともないらしい。