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広告やメディアでは最早人は動かないそうです

「仕事ってさ、そりゃめんどくさいこともあるよ。でもね、楽しいって気持ちに転換できないとダメなのよ。ママはあなた達がそうやって楽しい気持ちで仕事をやってくれるように訓練したいの。だからめんどくさいだろうけどシンクの中の食器を楽しい気持ちで洗っておいて」と子供達に言ったところ娘の方から「私は別に嫌なことを楽しいことにしようと思わない。嫌なことは嫌だなと思いながらやればいいだけだし。楽しいと無理矢理思おうとすることには意味がないと思う」と言われたので「お、おう……」という気持ちになりました。

 

これまで散々実名でセックスセックス言って、Google Adsenseも貼れないブログを運営してきましたが何と最近また仕事が決まりました。こんな僕でも仕事が(略)

で、新しいお仕事はPRでして、この本は参考になるよ、とその筋からのお達しを受けて拝読しました、こちら。

 

 

PRの仕事って関係者でなければいまいちピンと来ないと思うんですが、正しい情報を世に出して商品の販売促進、認知向上に繋げる仕事です。沢山の人に買ってもらったり、知ってもらったりする必要があります。で、その目的において、これまではテレビや雑誌などとにかく沢山の媒体に取り上げてもらって多く人目につく機会をつくりさえすればいいと思われていたけれど、これからはそれじゃ上手くいきません、と著者のお二人は仰っています。重要なのは、どのくらいの人数の、どんな人たちに知ってほしいのかをPR担当者が具体的に意識し、その人たちを動かすために最適な方法を考えることだそうです。テレビなのか雑誌なのかネットなのかといった伝達する媒体を選ぶだけではだめ、むしろそれらは単に「技」に過ぎず、ここに「心」(人の気持ち、感情)と「体」(体験、体感)を適切に組み合わせて道筋を立てる。「心・技・体」を使って人を動かす必要があるそうです。

例えばネットで盛り上がっている話題があって、乗らなければ、このビッグウェーブに、という気持ちにさせられて何かを買ったりとかした経験があれば、それは技を使って心を動かされた結果ということです。またアナ雪ブームなんかは、「Let it go」を歌うという体験が生み出したものと本書で分析されています。つまり「広告やメディアで人を動かそうとするのはもう諦めなさい」という本書のタイトルは、技だけではダメですよ、ということらしいのです。

PRという仕事に全然縁がない人であれば、そんなの当然でしょって感じもしますよね。この本を読んでもう1つ面白かったのは、消費者の視点では点と点だった情報が、実はある商品のPRを目的に、誰かの意図によって見えない線で繋がれていた、なんてことが実は世の中に往々にしてあるという事実です。風が吹けば桶屋が儲かると言いますが、PRはときに桶屋を設けさせるために風をも吹かせるのです。(ガセネタを流すということではないですよ。風が吹くための正しい情報を見つけてくるということです。)消費者は「風が吹いたなあ」と「桶買おう」をまさか誰かが意図的に関連づけているとは思いもしません。

私たちが完全に自分の意志で制御していると思っている行動や感情も、実は誰かの意図によって巧妙に誘導されている可能性があります。社会のカラクリの一端を覗き見ることができるので、PRという仕事に直接は関係ない人もぜひこの本を読んでみてください。面白かったです。 

 

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ところでこれはちょっと前に焼いたベーグルで作ったサンドイッチです。

最近忙しいので全然焼けていませんが。