読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

私の前世は男色の浮世絵師だった

スピリチュアルな話って、全部拒絶するより日々を彩るスパイスとして適度に乗っかっておいた方が断然面白い。嘘だと分かってても騙されてあげるくらいの余裕をかましてた方が艶っぽいし。。ってことで今日は友達に紹介されたオーラリーディングに行ってきた。オーラリーディングとは、7層あるその人の目に見えないオーラの色をセラピストが透視(!)することによって、自分も知らない自分の現状を察知しようというもの、らしい。
7層だから7色かというとそうではなく、1層が3色で構成されているので7層では合計21色。それをセラピストの女性が目を閉じた状態で透視し、伝えてくれるのだ。私はメモを取ったりお茶を飲んだりしてもいいのだが両足の裏だけは終始床にピッタリとつけておくようにとのお達しがあったので、そのようにした。

のべ1時間に及ぶリーディング。大変な情報量となった上に、他人が聞いたところで全然面白くないであろう、私の高潔で才能豊かで未来溢れる人柄が浮き彫りとなってしまった。正直全て載せるのが恐縮なレベルなので、ここではおこがましくないほんの一部をご紹介したい。

・第2層のオレンジが発しているメッセージ「あなたには屈折した人間が寄ってくる」

・第6層の青色が発しているメッセージ「活字のインプット、アウトプットを大切に」

・第6層の緑色が発しているメッセージ「言葉の誤用が多いから辞書をひけ」


は、はい…と。


セラピストを介し、予想以上に具体的なアドバイスをくれる私の体。そんなに色々お見通しなんですね、と顔から火が出る思いであった。

ところでこのリーディング、オーラの色が見えるだけではないのである。先生曰く、だいたいの人が生まれる前に平均400回ほど、様々な時代、様々な場所で生き死に繰り返しているそうで、セラピストはオーラを見ているうちにその人の過去の人生の映像などもあわせて見えてくるらしい。なぜなら過去の人生で果たせなかった無念を多くの人が現世に引きずって生まれ変わるから。
ざっくり話を聞いて、恐らくこのあたりが今日のダイジェストになるだろうな、という予感がひしひしとしていた。そしてその予感は的中した。

目を瞑ったセラピストが語りかける。

「あなたの過去は…男性男性の浮世絵師……春画なども描いています……師匠、仲間たち、男性に囲まれています…あなたはとても楽しそう……あなたは、男性が好きです


そう、私の前世は男色の浮世絵師だったのだ。

同様にその手の人に前世を見てもらったことのある身の回りの友人たちは、西洋のお姫様、貴族といった見立てをされている一方で私は男色の浮世絵師。渋い。ちなみに別のところで見てもらったという私の妹は、「亀甲縛りされた奴隷」と言われたそうなので私達姉妹はなんという因果を背負っているのだろう。

話を戻す。先生曰く、数多く繰り返した私の過去の人生の中でも、この男色の浮世絵師だった人生が特に最高の人生だったらしい。残念ながら彼は若くして流行病で死んだが、小柄で可愛いかった彼は生前、同じく男色の男達にモテにモテて、もうものすごく幸せに人生を全うしたそうだ。ただし、男色だったために人前で胸を張ることができなかった。幸せでありながらもどこか自分の幸せ、楽しみに心から没頭できなかった。彼はそれだけが無念だった。そこで私は現世で、人の目を気にせず、胸を張って楽しく生きるという、彼の果たせなかった夢を背負っているのだそうだ。

……考えてみれば身内がネットで炎上するたびに地下に潜り、その間どんなにいいパンが焼けても胸を張っていいパン焼けたよと言うことができなかった私。そう、たしかに私には男色の浮世絵師の気持ちがよくわかる。何も悪いことしてないはずなのに、楽しくても胸を張って楽しいと言えない気持ち。さらにはめくるめく性への好奇心を春画にぶつける彼、ブログ記事の中に下ネタという形で投影させる私。律儀にもそんなところまで通じるものがある。。

男色の浮世絵師に思いを馳せた私は不思議と心強い気持ちになった。現在の私が過去の自分という沢山の屍を越えて今にいたっているというイメージ、なんかちょっと新しい。咳をしても1人だと思っていた人生が実は個人戦でなくまさかのチーム戦という様相を呈してくるわけで、これは大変なことだ。

そりゃスピリチュアルはスピリチュアル。半信半疑ではある。しかしスピリチュアルでないとされるものにも私は同じくらい半信半疑である。「僕は浮気しない主義」、「宿題やったよ」、「カロリーオフ」大体半信半疑。むしろ疑いようのない事実など世の中に一体どれくらいあるというのか。私たち、物心ついたときから何もない人生に無理矢理意味を付加しながら生きているじゃないか。運命という超人的な波にもまれているかのように思い込んではいるが、その実とても人工的な物語を生きてるじゃないか。だからそこにちょっとくらい前世の男色の浮世絵師が登場したって全くなんの問題もない。

そんなわけで私はこれから、男色の浮世絵師という心強い架空のパートナーとともに、人生というどこまで本当かわからない物語を歩んでいきたい。ものすごく楽しい!といつ何時も胸を張って主張できるように。


f:id:akikomainichi:20140618220211j:plain


ところでこれは先日焼いたレーズンパン。夜中に焼いたために写真がちょっと暗いな。